ブロックチェーンの相互運用性に関する考察:Interledgerの仕組み
≫外部:EvanShwartz:インターレジャー/すべてのブロックチェーンとバリューネットワークを相互運用する方法
(Interledgerアーキテクチャの提案)
ブロックチェーンの相互運用性の青写真とインターネットの進化で述べられているように、現在のブロックチェーンは異なる「メールアプリ」が乱立し、それぞれが個別の機能を提供し、アプリ内のユーザーにしかメッセージを送信できないような状態にある。
- LINE、WatsApp、FacebookMessenger、WeChat、Snapchat、はそれぞれメッセージ機能を提供し、ユーザーを抱えるが相互運用はできない。
ブロックチェーンそれ自体がコミュニケーションツールとして提供される場合、それぞれのアプリに相互運用性はなく、相互に資産を移動することはできない。
ただし、ブロックチェーンが価値転送のインフラストラクチャとして機能する場合、そのベースとして機能するシステムは、相互に価値を転送できる必要があるだろう。
一般的な相互運用性のアプローチ:
原資産の元帳上で資産をロックし、対応するトークンを発行する
異なるDLT上で発行された資産を信頼できるマルチサインウォレット等により資産のロックをおこない、対応するトークンを発行し、別のチェーンで運用する。
これにより、金融機関はあらゆるDLT上で発行された資産の表現としてのトークンをウォレット上で安全に保管することができる。
さらに、トークンを原資産の元帳に送信することで、原資産の元帳のブロックチェーン上の機能を活用することもできる。
インターレジャー(Interledger)は必要か?
Interledgerの仕組み:
- Interledgerという、相互運用性のための規格(プロトコル)
- Interledger規格に基づく分散型ソフトウェアを実行する
- 分散型の「Interledger価値交換ネットワーク」を形成できる
という革新的な技術です。
ざっくりとした理解で言うならば…、
- Interledger = TCP/IP
- Interledgerネットワーク = インターネット
のような感じですね。
Interledgerの仕組み:
Interledgerコネクタは、Interledgerネットワーク上で相互に2者間(コネクタ間)でネットワークを形成し、相互に価値を転送する。
この時、Interledgerパケット(価値のパケット)を情報と同じように転送することで価値の転送がおこなわれる。
異なるネットワーク上の資産に相互運用性をもたらすとして、だれがそのネットワーク同士をつなぐ流動性をもたらすのか?
Interledgerという分散型の価値交換ネットワーク:
米国Ripple社のソリューションであるRippleNetは、銀行の国際送金のためのInterledger技術に基づく「分散型ソフトウェア」である。
それと同じように、Interldegerというのはプロトコル/規格であるが、それに基づき実行されるのは「分散型の価値交換ネットワーク」
つまり、「Interledger規格に基づく分散型の価値交換ネットワーク」が形成されるわけである。
という、非常に革新的な技術です。
Interledger+XRPが流動性問題を解決する:
Interledgerコネクタは、限られた資本または流動性のプールを使用してインターレジャーパケットを処理します。
これを効率的に処理することで、コストを抑えることができます。
各Prepareパケットには、トランザクションが実行されるまで、コネクタで指定された金額を保持する必要があります。
より小さなパケットに分割することにより、コネクタはトランザクションごとに大きな金額を予約することを回避できます。
Interledgerネットワークは1つだけではない
Interledger規格にもとづくネットワークは1つだけではありません。複数存在します。
複数のInterledgerネットワーク
- TheInterledger:全体を包括するオープンなユニバーサルInterledgerネットワークの総称
- RippleNet:Ripple社が提供する国際送金決済のためのInterledgerネットワーク
- Mojaloop:ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Googleがサポートする、金融包括/モバイルマネーのためのInterledgerネットワーク
なぜ、マルチホップが必要か?
ILP標準により異なるネットワーク同士をつなぎ合わせて送金をおこなうため。
例:RippleNet→Mojaloop
必要な相互運用性に対してInterledgerを適用できる
オープンなInterledgerネットワークは、価値の相互運用性を実現するための最終的なビジョンですが、現在のところ、必要な相互運用性に対して、主体的にInterlederのネットワーク形成されています。
- RippleNet:銀行元帳の相互運用性
- Mojaloop:モバイルマネーの相互運用性
つまり、2つの異なる価値ネットワークに相互運用性をもたらす必要性があるなら、そこにInterledgerを適用することができる。という状況です。
Interledgerネットワーク上では、コネクタが流動性を提供します。
たとえば、デジタル証券が発行されるだろう:
たとえば、キャピタルマーケット(資本市場)において、DLTに基づくデジタル証券が発行される流れがある。
あるいは、XRPSideChain上にデジタル証券が発行されるかもしれません。
旧)Interledgerネットワークの状況:
- Coil:Interlederマイクロペイメントである「WebMonetization」をサポート
- StrataLabs:商用Interledgerコネクタを運用
- Kava:Interledgerコネクタを実行、CosmosとInterledgerの接続など
- Bill&Melinda Gates財団:Mojaloop
InterledgerRafiki:
Rafikiは、InterledgerAPIの包括的なセットを公開するオープンソースパッケージです。
これはウォレットプロバイダーによって実行されることを目的としており、ユーザーにインターレジャー機能を提供できるようにします。
Rafikiは、
- Interledgerコネクタ
- 高スループットのアカウンティングデータベース
- ユーザーが直接アクセスしてInterledgerアプリケーションを実装できるAPIなど
いくつかのコンポーネントで構成されています。
InterledgerRafikiはオールインワンのInterledgerウォレットであり、
- シンプル支払い
- 定期支払
- アプリベース支払い
- 高度な支払い
これらの機能をサポートします。
Interledger財団:2021年4月に設立
Interledger財団は、慈善非営利団体として2021年4月14日にサンフランシスコ・カリフォルニアに設立されました。
- Interledgerを管理し、提唱すること*
財団はまた、
- Interledgerネットワーク参加者の公式リストの保持
- ピアリング関係の促進
- 標準ディスカッションのホスト
など、ライブInterledgerネットワークを促進するための重要なサポート機能を提供する上で重要な役割を果たします。
Interledger財団の優先分野:
- 1.金融包括
- 2.オープンペイメント
- 3.Webマネタイズ
Mojaloopの採用:
サハラ以南のアフリカ中央銀行・モバイルネットワーク事業者間の合弁事業
サハラ以南のアフリカではすでにイノベーションが起こっており、初期のMojaloop採用者には、中央銀行とモバイルネットワーク事業者間の合弁事業が含まれています。
マッキンゼーグローバルインスティテュートによると、相互運用可能なオープンペイメントの幅広い採用により、より多くの人々が重要なデジタル金融サービスにアクセスできるようになると同時に、すべての新興経済国の年間GDPが2025年までに3.7兆ドル増加する可能性があります。*
Coil:
Interledger(WebMonetization)による直接支払いにより、プラットフォームの手数料を介さずにお金を送金(収益化)できる。
SideChainは相互運用性ソリューションか?
XRP元帳SideChain技術、つまりXRP元帳の「Federatorソフト」は、異なるDLT元帳上の資産をシームレスにXRP元帳上に移転する技術です。
さらに、「デジタル資産XRP」をプライベートなSideChain上に移動することで秘匿性のある「プライベートXRP」としての運用も可能となります。
- SideChainにより「プライベートXRP」を実現する
- SideChainにより「デジタル証券」を発行できる
24時間だれでもスマホから投資できる世界
「24時間だれでもスマホから投資できる。」というのは、すでに達成されている未来である。
ただし、ブロックチェーンがインフラ基盤として整備されることにより、まるでゲームのように、アプリ上から気軽にあらゆるものに投資できるようになる。
まさに、金融・投資革命と言える変化が起きる。
- インターネットは「情報革命」
- ブロックチェーンは「金融・投資革命」
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