Interledger決済の仕組み(v4):IoVの実現過程

Interledger決済の仕組み(v4)

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Interledger決済の仕組み

≫Interledger:決済エンジン

ILPパケットの清算

Interledger(v4)では、コネクタは特定のピアとのILPパケットをクリアして実行します。ILPパケットとは、コネクタ間の財務会計の残高に影響をあたえる条件付きIOUをあらわします。

コネクタは信頼性に応じて、特定のピアに限定されたクレジットラインを設けることがあり、コネクタがピアからILPパケットを受信するとそれを転送し、対応するILPフルフィルパケットを返します。

これによりコネクタに対するピアの責任が生じ、ピアに対する責任が割り当てられたクレジット制限を超える場合には、コネクタは追加のパケット転送を拒否することになります。

ILPパケットの決済

ピアはILP取引を継続するために、負債を解決する必要があり、これは両方のピアが使用することに同意した決済システムで支払いを送信することによって実現されます。

コネクタは着信支払いをクレジットし、ピアが支払うべき金額を取消不能にすることで後続のインターレジャーパケットをクリアできます。

ILPパケットの決済は、資産または金融商品の取り消し不可能な送信です。決済は、「決済システム」または「元帳」、「口座残高」や「レジストリ」で資金を送金する場合があります。

インターレジャーを決済するシステムの例

  • 従来の銀行インフラストラクチャ
  • 暗号通貨と分散型元帳
  • 支払いチャネルとレイヤー2ネットワーク
  • 送金サービス
  • モバイルマネーサービス
  • 資産の現金または物理的な配達

決済エンジン

決済エンジンは、2つのInterledgerピアによって運用されるサービスであり、ピア間の決済の送受信を容易にするものです。

Interledgerコネクタには、同じシステム上で決済する多くのピアが存在する可能性があるため、単一の決済エンジンが複数のアカウントを管理して、多くの異なるピアと決済する場合があります。

この使用は、決済エンジンとインターフェイスするためのInteledgerコネクタ用の標準化されたHTTP APIを定義し、その逆も同様です。コネクタは決済エンジンをトリガーして決済を実行し、決済エンジンは着信決済が受信されたときに会計残高を調整するためにコネクタをトリガーします。

つまり、「決済エンジン」の仕様により、元帳決済とInterledgerパケットの清算の整合性を保つ。という意味(たぶん)

動機

決済エンジンは、Interledgerとの決済統合の抽象化として、Ledger Plugin Interface(LPlv2)にとって代わります。

この新しいモデルは、次の問題に対処します。

  1. マルチアカウントプラグインでは、ILPパケットを処理するために重要なコネクタロジックが必要でした。
  2. プラグインの実装は、単一の二国間通信メカニズムと緊密に結合されていました。
  3. JavaScriptプラグインは、JavaScript以外のコネクタ実装との相互運用性を制限していました。
  4. プラグインはコネクタと同じプロセスで動作するため、2つのサービスを個別にスケーリングできませんでした。

コンセプト

会計

財務会計のコンテキストでは、アカウントはカウンターパーティ間の一連のトランザクションに対して受け取った金額(クレジット)と未払いの金額(デビット)をあらわします。

アカウント残高はこれらの貸方と借方の正味の差です。

したがって、特定のコネクタの買掛残高は、ピアの売掛残高を反映し、同様にコネクタの売掛残高は、ピアノ買掛残高を反映している必要があります。

決済エンジンと会計システムが相互に連携することで、結果に整合性のある複式簿記を実行します。

(以下省略)

考察

ILPパケットを2者間で決済する方法としては、従来の銀行インフラ、暗号資産・DLT、2レイヤー・支払いチャネル、など、任意のピア間の合意により効率的な決済方法を採用することができる。

もし、JPモルガンコインが一番効率的なピア間の決済方法だとすれば、2者間の合意に基づきその決済方法を採用することができる。

XRPerとしての希望的な観測

Interledger(v4)による決済は、非常に小額高頻度な決済であり、理想的には「XRP:PaymentChannel」のような極小額を非常に効率よく2者間で決済できる仕組みが望ましいのではないか?

ILP(v4)では、転送するInterledgerパケットの種類にかかわらず、2つのピア間の取り決めにより任意の効率的な決済方式を採用することができるため、XRPを活用できる余地があるのではないか?

結論

いずれにしよ、Interledgerネットワークの本格的な実現は早くとも2030年が予定されており、プロジェクトの進捗は長い目で見守っていく必要があるだろう。

Interledgerの成熟:2030年~

あくまで予測だが、最終的には、僕たちが現在利用している「情報のインターネット」と同じように、あらゆる価値を瞬時に世界中に送信できる「価値のインターネット:IoV」が実現されるだろう。

 

Interledgerの活用に向けて

  • W3C Community GroupによるInterledger標準の策定
  • RippleNet、ODLによるInterledgerの採用
  • MojaloopによるInterledgerの採用
  • HyperledgerQuiltによるInterledgerJavaの実装
  • CoilによるInterledger活用の促進
  • InterledgerFoundationによる促進

 

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