JPモルガンvsRippleXRP ライバル比較【Liink/JPMコイン/Partitor/CBDC】

JPモルガンvsRippleXRP ライバル比較
【Liink/JPMコイン/Quorum/Partitor/CBDC】

このページでは…、
JPモルガンはRippleXRPのライバルかどうか?
について、わかりやすく解説をおこないます。

 

JPモルガンはRippleXRPのライバルか?

JPモルガンは米国のグローバル投資銀行であり、Liink、JPMコイン、Quorum、Paritor、などのブロックチェーン事業に関連しています。

JPモルガン「Liink」はDLTによる国境を越えた即時支払いメッセージングソリューションであり、RippleNetの支払いソリューションである「xCurrent(旧)」に相当します。

このページでは、JPモルガンvsRippleXRP の競合調査をおこないました。

 

JPモルガンのおもな動き:概要

JPモルガンのおもな動きとして…、下記の5つがあります。

  • 1.Liink(INN):DLT支払いメッセージング
  • 2.CBDC:シンガポールでCBDCを開発
  • 3.Quorum:エンタープライズブロックチェーン
  • 4.Onyx:JPモルガンのクリプト部門
  • 5.JPMコイン:JPモルガンの決済用ステーブルコイン

 

DLT国際送金決済・CBDCで競合するか?

RippleXRPは、旧来のSWIFT送金にかわるDLT双方向メッセージングによる即時国際送金決済システム「RippleNet(xCurrent)」を提供しています。

同様に、JPモルガンはDLT支払いメッセージング「Liink(INN)」、および決済システム「PayDirect(DLTではない)」による即時決済を実現しています。

この分野で競合する可能性があります。

 

JPモルガンは、QuorumをConsenSysに売却 Onyx部門を立ち上げ

JPモルガンは、エンタープライズイーサリアム「Quorum」をConsenSysに売却し、その後戦略的投資をおこなっています。

  • 2020年8月25日:Quorumブロックチェーンを「ConsenSys」に売却※噂では転換社債で2000万ドル*ソース(ConsenSysはJPモルガンとともに、エンタープライズイーサリアム開発の中心的企業)
    – QuorumをConsenSysEnterprise Ethereumスタックにオンボード
    – HyperledgerBesuベースのEnterpriseEthereumクライアントをQuorumと統合*ソース
  • 2020年10月27日:JPモルガンがOnyx部門を立ち上げ
  • 2021年4月13日:JPモルガン・MastarCard・UBS・など(Protocol Labs、MakerFoundation、Fenbushi、LAO、AlamedaResearch)は、ConsenSysに6500万ドルを戦略的投資

 

Quorumをスピンオフした理由:

なぜQuorumをConsenSysに売却したのか?

  • 元のプロジェクトリーダー「アンバーバルデ」がJPMを去り、彼女自身の事業を開始したから。
  • ライバル銀行がQuorumを使うことを躊躇していたから。

ほかにも..、

  • JPM自身、Liink(INN)、JPMコインにQuorumを使用していますが…、それだけでなく、
    – HyperledgerFabricに基づく
    「CLSNetDLT外国為替プラットフォーム」
    – SIXデジタル取引所
    「SDX」
    – ドイツの担保スワップDLTプラットフォーム
    「HQLAx」
    – (最近投資を中断した、)
    「R3Corda」
    これらのプロジェクトにも参加しています。
  • つまり、JPモルガンがQuorumを構築した2016年よりも事態は進んでおり、JPモルガンがコアテクノロジーを開発するよりも金融ソリューションに焦点を当てるほうが理にかなっています。

 

JPモルガン関連のCBDC実験PoC まとめ:

JPモルガンが関与する「CBDCの実証試験PoC」として、下記のとおり。

  • MAS(シンガポール中銀)Project Ubin:INN(現Liink)の実証試験を完了
  • MAS(シンガポール中銀)およびBdF(フランス中銀):m-CBDCの自動マーケットメイキングの実証試験を完了 → Ubinの経験を活かし「Partior」へ

MASと協力した「ProjectUbin」での経験をもとに、現在はシンガポール大手「DBS・テマセク」とのJVである「Partior」へと移行しています。

 

JPモルガン Onyxの取り組み:

※OnyxはJPモルガンのブロックチェーン部門です。

JPモルガン「Onyx部門の取り組み」として、次のとおり。

  • 1.シンガポールDBS、テマセクと国境を越えた決済ネットワーク
  • 2.DLT日中レポ取引システム
  • 3.ブロックチェーン債務発行トライアル「Dromaius」
  • 4.JPMコイン(JPM口座内での送金に使用される
  • 5.バーレーン中銀、銀行ABC、米ドルサプライチェーンの国境を越えた決済試験、およびCBDCへの拡大を検討
  • 6.DLT自動小切手決済ソリューション

それぞれ、要点をまとめて解説します。

 

1.シンガポールDBS、テマセクと国境を越えた決済ネットワーク:JV「Partitor」

JPモルガン「Partitor」の要点として、次のとおりです。

  • シンガポール最大の銀行「DBS」、「JPモルガン」、シンガポール国営投資会社「テマセク」によるJV(ジョイントベンチャー)
  • 目的:マルチカレンシーの清算および決済ソリューションによる24時間年中無休のアトミック性の即時決済の達成。国境を越えたホールセール決済ネットワークの開発。
  • 補足:Ubinフェーズ5では、INN(現Liink)とJPMコインによりお金をトークン化しました。フェーズ5の最終目標として、債券発行、国境を越えた支払い、サプライチェーンファイナンス、広告支払い、その他のいくつかのユースケースなど、デジタル通貨を使用するさまざまなアプリケーションを調査することでした。
  • 注意点:ステーブルコイン・JPMコインを使うわけではなく、あくまで国境を越えたホールセール決済のためのソリューション。
  • 当初は米ドルとシンガポールドルでの取引のためにシンガポール拠点の銀行に焦点当てますが、より多くの通貨と他の法域に拡大することを目的としています。

≫ソース:LedgerInsights(外部サイト)

ProjectUbinの経験をもとに、シンガポール大手の「DBS・テマセク」とのJVにより「国境を越えたホールセール決済ネットワーク」を開発しています。

 

2.DLT日中レポ取引システム

JPモルガン「DLT日中レポ取引システム」の要点として、次のとおりです。

  • ブロックチェーン即時決済による日中レポ取引システム
    ※ただし、米国の24のプライマリディーラのうち19のレポ取引を処理する「Broadridge」は、2017年に最初にDLTレポプラットフォームのPoCをおこないました。
  • レポ取引とは?:典型的なレポ取引は、銀行が短期の現金を必要とする場合に発生します。したがって、銀行は有価証券、多くの場合は債権を売却することにより現金を借り、近い将来、わずかに高い価格でそれらを買い戻すことに同意します。
    ブロックチェーンは担保のデジタル化と即時決済を可能とするため、財務担当者が銀行のバランスシートを日中に管理するためのあたらしい機会を開き、レポは、それが可能な領域の1つに過ぎません。
  • これまでのところ、銀行はJPモルガンのブローカー取引と銀行との間で試験を実施し、BNYメロンを三者代理人としてゴールドマンサックスなどとの取引をシミュレートしてきました。

≫JPM DLT日中レポ取引

JPMはDLT日中レポ取引システムのPoCをおこないましたが、競合には米国最大手のライバル「Broadridge」があり、下記に要点をまとめます。

DLT日中レポ JPMライバル(本命) Broadridge:

  • Broadridgeは、米国の24のプライマリーディーラのうち19のレポ取引を処理しています。(本命)
  • Broadridgeでは、日中だけでなく、夜間、およびターム レポ取引をDLTで解決しています。二国間ベースと企業内ベースの両方で。
  • Broadridgeは米国での財務取引から始めていますが、プラットフォームの機能は地域やセキュリティの種類に依存しません。

その他の日中財務ソリューション:

  • ロンドンブロックチェーンスタートアップFinteum:銀行の会計係、特にFXスワップの日中市場に焦点を合わせてきました。
※「日中レポ取引市場」は債権の売却による短期の現金調達市場であり、現在のところRippleXRPの事業と直接競合する分野ではありません。

 

3.ブロックチェーン債務発行トライアル「Dromaius」

JPモルガン「DLT債務発行トライアル:Dromaius」の要点として、次のとおりです。

  • JPMコインの債権パイロットテスト
  • JPMコインの目的は、あくまでJPM口座のDvP決済。JPMコインはUSCとは異なり米ドルのみ。
  • 反論「即時決済は必要か?」:DTCCは、ネッティングの利点を強調し、オーストラリア証券取引所のブロックチェーン「CHESS決済システム」の参加者は即時支払いをオプトアウトする機能を要求しました。さらに、アクセンチュアもプロジェクトJasparで同じ点を提起しました。*ソース
    →しかし、潜在的に即時決済に利点がある?

JPMコインによる債権発行のパイロットテストをおこないました。

 

4.JPMコイン

JPモルガン「JPMコイン」の要点として、次のとおりです。

  • 目的:JPMの顧客が債権を購入するとき、遅い銀行振り込みではなく、JPMコインで即座に支払いをおこなう(DvP決済)により、決済リスクを無くすこと。*ソース
  • JPMコインは機関投資家のみが利用でき、許可制のブロックチェーンであるQuorum上でのみ利用できるが、将来的には他の許可制ブロックチェーンでも利用できるようになる予定。目的はDLTアプリ内での決済。
※JPMコインは、JPMの顧客のための決済効率化手段であり、現在のところ直接RippleXRPと競合するものではありません。

 

5.JPモルガンとバーレーン中銀、銀行ABC、米ドルサプライチェーンの国境を越えた決済試験、およびCBDCへの拡大を検討

下記のとおり。

  • JPモルガンとバーレーン中銀は、2021年5月に国境を越えた米ドルサプライチェーンの支払いと受け取りを対象としたテストを発表。今後、CBDCへのコラボレーションの拡大を検討すると述べました。*ソース

バーレーン中銀・銀行ABC と「米ドルサプライチェーンの国境を越えた決済」の試験PoCを発表しました。

※こちらも、現在のところRippleXRPの直接の競合ではありません。

 

6.DLT自動小切手決済ソリューション

JPモルガン「DLT自動小切手決済ソリューション」の要点として、次のとおりです。

  • 米国の支払いの40%は小切手ベース
  • 小切手清算をDLTによるデジタル化をおこない、JPモルガンはこれにより年間数億ドルを節約できると見積もっている。*ソース

米国内の小切手決済のDLT化によるコスト削減を見積もっています。

※こちらも、現在のところRippleXRPの直接の競合ではありません。

 

Liink(INN)支払いの仕組み

JPモルガンは、国境を越えた送金のためのDLT銀行間メッセージングシステムである「Liink(INN)」を提供しており、その仕組みは次のとおりです。

ホールセール決済のグローバル清算商品の責任者である「GayathriVasudev氏」によると、Liinkは(ブロックチェーンではない)決済製品であるPayDirectとペアになっており、Confirmにより口座情報が検証されるとPayDirectを介して支払いが送信され、最も効率的な方法で支払いがルーティングされます。

*1 *2

PayDirect:PayDirectはJPモルガンのソリューションであり、金融機関が既存の支払い方法とチャネルを使用して新しいフローをキャプチャし、様々な支払い方法で世界の受益者に支払いをおこなうことができます。ストレートスループロセッシングレートの向上、透明性の向上、および返金を減らすことによる顧客のエンドツーエンドの支払い経験の向上が期待されています。

Liinkの顧客:世界の上位50行のうち27行を含む400を超える金融機関および企業からなる参加者、78の国と地域

※JPモルガン「Liink」は”支払いソリューション”であり、RippleNetのxCurrentに値するソリューションです。ただし「RippleODL:オンデマンド流動性」流動性ソリューションであり、LiinkではPayDirect(JPM)を利用しています。

 

補足:ConsenSys

ConsenSysはJPモルガンから「Quorumプラットフォーム」を受け継ぎ、JPモルガン・MastarCard・などの投資家から「6500万ドル」の戦略的投資をうけています。

ConsenSysは、主要なエンタープライズイーサリアム開発企業です。(コアソフトウェアビジネス)

ConsenSysの事業:

  • MetaMask
  • HyperledgerBesu
  • ConsenSysQuorum
  • ConsenSysCodefi

⇒6つの中央銀行向けにCBDCを構築*ConsenSysブログ

 

JPモルガン:まとめ

このページで解説した「JPモルガン」の要点をまとめると、次のとおりです。

  • コアソフトウェアQuorumの開発はConsenSysに売却
  • ブロックチェーン部門を「Onyx」として再編
  • Liinkは「JPM:PayDirect」により決済
  • コアテクノロジーより金融ソリューションに焦点

→支払いソリューション「Liink」でRippleと競合するが、流動性ソリューション「ODL」では競合しない。

 

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