Rippleと中央銀行CBDCの関連性まとめ

Rippleと中央銀行CBDCの関連性まとめ

このページでは、米国のフィンテックベンチャーRipple社と、中央銀行が発行するCBDC(Central bank Digital Asset)の関連性をわかりやすく解説します。

Ripple:CBDCプライベート元帳の優位性

既存のCBDC実証試験の課題:スループット

現在、各国の中央銀行は既存の分散元帳(DLT)によりCBDC発行の実証試験(PoC)をおこなっている。

しかし、既存の分散元帳は支払い決済用に最適化されたものではなく、必要となるトランザクションスループットの問題があります。

Ripple:CBDCプライベート元帳の優位性

Ripple社はこの数年にわたり、決済向けに最適化されたXRP元帳の開発に携わってきました。CBDCプライベート元帳はXRPの技術を活用したプライベート分散元帳です。

「CBDCプライベート元帳」のスループットは最初は1万TPSから始まり、時間の経過とともに数十万TPSにまで拡張できる可能性があります。

これは、リテール決済で必要とされるCBDCのトランザクションスループットをカバーすることができます。

Ripple Pilots a Private Ledger for Central Banks Launching CBDCs | Ripple
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Ripple:CBDCレポートより

Ripple:

https://ripple.com/wp-content/uploads/2021/01/cbdc-wp-2020.pdf

CBDCの主要な利点

既存支払いインフラの強化

CBDCにより支払い手数料と送金失敗率を削減しつつ、支払い速度と効率を向上させることができます。

金融包括の促進

銀行口座を持たない人へ金融サービスのアクセスを増やし、個人間での直接支払いを強化する

グローバル市場の競争を促進する

相互運用性により参入障壁を減らし、グローバル市場への参入を促進します。

イノベーションの促進

新しい金融サービスの基礎となるスマートコントラクトやプログラム可能なお金など、高度なデジタル技術を提供できます。

金融政策の影響力の維持

中央銀行が金融政策に対する主権を維持し、代替通貨に市場が支配されないようにする。

クロスボーダー接続

中央銀行CBDCが国境を越えた決済に対応するには、KYC・AML・流動性管理の要件に対応する必要がある。

しかし、グローバル化した世界では企業は必然的に国境を越えた市場で決済をおこなう必要があり、より良いサービスを提供するCBDCを活用することになる。

グローバルに相互運用出来るるAMLソリューション

さらに、中央銀行はグローバルに相互運用可能なAMLソリューションを必要としています。

銀行以外へのアクセスの許可

過去10年間の金融包括では、送金プロバイダーやデジタルウォレットなどの銀行セクター以外からの金融サービスが台頭してきました。

現在の法定通貨システムは通貨のデジタル化による効用を制限しており、プライベートな暗号通貨での取引をエンドユーザーに強制しています。

CBDCが金融包括を促進するには、これらの銀行以外の市場参加者にもコア決済システムとインフラへのアクセスを提供する必要があります。

また、この変更が個人顧客のゲートキーパーとなる商業銀行に与える影響を理解する必要があります。

すべてのCBDCの課題を克服するための3つの鍵

1.相互運用性

デジタル通貨が市場で有効性を発揮するには、市場においてその他の支払いシステムと相互運用性を提供する必要があります。

インターネットが「TCP/IP、HTTP、FTP」といったプロトコルに合意することでインターネットが繁栄したように、中央銀行も下記の機能をカバーするように「CBDCの標準(プロトコル)」を調整する必要があります。

  • ①エスクローやHTLCなどの取引レベルの操作
  • ②IDおよびアドレス指定のスキーム
  • ③最も効率的な送信方法を決定するための柔軟なルーティング

これによりCBDCは相互接続できるようになり、その結果として各中央銀行が主権を維持しながらその有用性を高めることができます。

さらに高レベルの相互運用性を実現するには、中央銀行はAPIを介して支持を出すのではなく、元帳間で実際に資産を交換する機能が必要になります。重要なのはすべての中央銀行が相互運用可能な元帳でCBDCの相互発行を可能にすることです。

個々のCBDCは国内市場に最適な独自のルールとポリシーを作成しつつも、CBDC同氏は相互にシームレスに連携することができる「プロトコルスイート」によりサポートされる必要があります。

2.官民パートナーシップ

既存の金融インフラは多様であり、すぐに冗長化する可能性はほとんどなく、CBDC技術がすべてをおき替えることはできません。

ですから、既存インフラストラクチャの上に新しいシステムを階層化するモデルが最も理にかなっています。

インフラを階層化することにより、民間セクターの専門知識を利用しつつ整合性を失わずに、CBDCインフラを構築することができます。

多くの民間企業が成功したデジタル通貨を開発しており、その技術と経験を活かすことができます。

CBDCプライベート元帳の活用

CBDCは既存の分散元帳のプライベートバージョンを使用して発行および管理することができます。

DLTのトランザクションは多くのバリデーターにより検証されますが、中央銀行は「商業銀行・欧州連合・東カリブ海通貨連合」などの信頼できる限られたパートナーに制限することができます。

これにより中央銀行は、金融政策と経済管理を十分に集中管理しつつ、分散型元帳に付随する柔軟性と機能を利用することができます。

3.ニュートラルなブリッジ資産

相互運用性によりCBDCは国内取引を直接サポートできますが、国境を越えた取引に流動性を提供するにはこれまでどおり「事前に積み上げられた通貨口座」が必要になる可能性があります。

商業銀行やその他のグローバル企業とおなじように、中央銀行はこの「流動性に関するコスト」を避けたいと思うでしょう。

また、商業銀行やグローバル企業は資本の拘束をなくし、もっとも流動性の高い通貨で取引をしたいと思うでしょう。

ニュートラルなブリッジ資産の効用

ニュートラルなブリッジ資産は、さまざまなCBDC間での摩擦のない費用対効果の高い価値の移動をリアルタイムで可能にする健全で代替的な流動性市場をサポートできます。

また、流動性の低いCBDCペアの交換を可能にし、新規および小規模の市場参加者の参入障壁を下げることでグローバルな競争を激化させます。

真に効率的なグローバル市場を実現するには、ブリッジ通貨を支払い用に特別に最適化し、CBDCが提供するのと同じ速度、スケーラビリティ、低コスト、およびセキュリティをサポートする必要があります。

※ひとつの例は、デジタル資産XRPです。

ニュートラルなブリッジ通貨は、CBDCによるグローバルな価値交換を実現するための最後のピースです。

Ripple – CBDCレポート:まとめ

今日、一部の中央銀行はCBDCの実証試験(PoC)とイニシアチブについて他の銀行よりもはやく動いています。

しかし、CBDCが将来的に成功するためには少数の先駆者ではなく、グローバルなコンセンサスが必要となります。

世界の中央銀行は相互運用を可能とする共通のCBDCプロトコルに合意するとともに、民間セクターの知識とインフラを活用してイニシアチブを加速すべきです。

その他

CPA AustraliaによるCBDCS比較レビュー → フランス中銀がRippleXRPを検討している

SEC議長のゲイリー・ゲンスラー:「国際決済にブリッジ資産が必要」と発言

 

 

 

 

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